もう17年も前のちょうど今頃。
エジプトのカイロにいました。
上海からひたすら陸路と船のみでたどり着いた初めてのアフリカ大陸。
これからヨーロッパに行こうか、アフリカを南に進もうか、安宿に長逗留しながらあれやこれや悩み、南に進むことにしました。
イスタンブールで同じ宿になった日本人の話に影響されていました。
彼は、恋人から旅先に送られてきた「星の王子さま」を読んで、フランスでもアルジェリアでもなく、バオバブの木を見るためにマダガスカルに向けて旅を進めるという話をしていたのです。
彼からアフリカという未知の大陸で待っているであろう、あれやこれやの話を聞かされ、すっかりアフリカの魅力にとりつかれつつも、これから美しい春を迎えるヨーロッパもあきらめきれず、カイロについてからも、あーでもない、こーでもない、と地図を眺めていたのですが、南からアフリカを旅してカイロまでやってきたばかりの他の旅人の話を聞いたり、同じドミトリーの男の子がウォークマンで聴いていたさだまさしの「風に立つライオン」に心打たれたり(キリマンジャロの白い雪と一斉に飛び立つフラミンゴを見たいと思わせるんです)した結果、南アフリカの喜望峰を目指す決心が定まりました。
マラリア対策の蚊帳を手に入れ、黄熱病の予防注射も打ち、南アフリカを目指す旅の準備が次第に整い、いよいよ隣国スーダンのビザを取るために日本大使館のレター(人物証明書のようなもの)を取得しようと意気込んで大使館に行くと、大使館の職員は白けた様子で一枚の新聞コピーを渡してよこしました。
スーダンは内戦中。
レターなんか出すわけないでしょ、考え直しなさい。
取り付く島もない対応にあえなく敗退。
やっぱりヨーロッパに行くことにしました。
スーダンを越えてエチオピアやケニアにたどり着くには、どうしても飛行機に乗らねばならず、陸路か船で進むというそのときの旅のこだわりを捨てなければならなかったからでした。
また来ればいい。
その時はそう思いましたが、南アフリカへと続くはずだった旅は今では遠いものとなってしまっています。
そんな私に、はるかな喜望峰の香りを運んでくれるのが、朔のメニューにある南アフリカ産の「ユナンボスティー」。
アジアの茶にもヨーロッパのハーブティーにもない、独特の花のような香ばしさ。
ノンカフェインなので安心です。
朔では、はちみつとミルクをお付けしています。
ストレートでももちろんおいしいのですが、甘くしたり、ミルクティーにしてみてもいいんですよ。
「ユナンボスティー」は2煎目も出るので、たくさん飲みたい方はどうぞお申し付けください。
お湯をもう一度いれてお出しいたします。
朔の「ユナンボスティー」でゆったりとお過ごしください。