地元の食材を使うのは当然?

朔はなるべく地元の食材、旬の食材を使いたい、というこだわりを持って仕入れをしています。
地元食材を使う、というのは最近いろいろな意味で注目されていますし、当たり前と思われる向きもあるかもしれません。
ですが、飲食店により食材仕入れのこだわり方はさまざまです。
食材自体が持つストーリーを大切にし有名ブランド品を仕入れるお店。
産地の遠近よりも食材の作られ方(自然農法や無農薬であることなど)にこだわるお店。
もちろん低価格の品を提供したいというお店は値段にこだわります。

石垣島のカフェ&カレー「トラベラーズカフェ朔」のオクラ

私たちが地元食材を使いたいと思う理由

朔が地元の食材、旬の食材をなるべく使いたい、と考える理由はいくつもあります。
その中でも一番大きな理由は、週替わりのサラダ、スイーツを提供するお店として、「季節感」を大切にしたいこと。
地元の食材に目を向けていれば、その季節に多く並ぶ野菜や果物を使うことができます。
そしてそれが「石垣島の季節感」を表現することにつながると思います。
地元の食材を使えばもちろん新鮮なものを使うことができる、というのも大きな理由ですね。
他にも、石垣島という決して経済的に潤沢とはいえない地方経済の一部としてなるべくなら地元にお金を落としたい、という店主の気持ちもあります。

ゴーヤ

お米だって石垣島産を使いたい

野菜、果物の他に私たちが使っている食材で重要な地元品は石垣島産の「米」です。
6月ごろから翌年3月ごろまでは「石垣島産 ひとめぼれ」を使っています。
このお米は、地元産であるよさもあるのですが、「こしひかり」系のなかにあってやや硬めの感じがします(あくまでも私たちの感覚なのでデータを見てみないと実際のところはわからないのですが)。
その硬さが私たちのメインメニューであるカレーによく合うんです。
ただし、「石垣島産 ひとめぼれ」は、新米が収穫される前3カ月ほどは市場から姿を消す(年によってはもっと長く)場合があります。
その場合、いまのところ「熊本県産 森のくまさん」を使用しています。

石垣島のカフェ&カレー「トラベラーズカフェ朔」の】石垣島産ひとめぼれ

どうしても地元産の食材を使う事が出来ないものもあります

地元の食材をなるべく使いたい。
ですが、やはりどうしても地元ですべての食材をまかなうのは難しい、ということも書いておかねばならないですね。
さきほどのお米もそうなんですが、カレーには必須の食材「玉ねぎ」なども地元産で全てを賄うのは難しい食材です。
春には少し見かけるのですが、カレーは一年中作っています。
やむを得ず、八百屋さんにお願いして本土産のもの、あるいは外国産のものを使っています。
国産の玉ねぎを八百屋さんから仕入れていると、どうしても「新玉ねぎ」の季節になってしまう時期があります。
朔のカレーの味は「新玉ねぎ」ではおいしく出せません。
「新玉ねぎ」だとどうしても味が甘くなってしまいます。
その場合、やむを得ず外国産玉ねぎを使うことになります。

主要な食材の中では他にも「鶏肉」はブラジル産の冷凍物を使っています。
鶏肉の生産量がほとんどない石垣島でわずかに仕入れることができる地鶏の「黒鶏」は朔のカレーには少々合わないことと、コスト面でも使用が難しいからです。

今後、少しでも地元の食材を使うよう、改善できる部分は改善していきたいと考えています。