初めて韓国に行ったのはまだまだ冬の寒さが残る3月の初旬。
プサンのプジョン市場で食べたテジクッパはアツアツで、南国からやってきた私たちの冷えた体に旨さと熱さとニンニクのにおいが沁み渡った。
腹が満たされたところでじっくりと見て回った市場には、なにやら長細い鮮魚、日本のものと似ているけどちょっと違う野菜、全く得体のしれない漢方薬の材料。
行きかうリヤカー、まじりあう香り、失われる方向感覚。
あー、これだ、これだ。
日本になくて他のアジアの国にあるもの。
狙って作りだすことはできない空気感。
夢中になって歩き周り、ふと我に返ると、体がまたも冷え切っていることに気付いた。
そこにリヤカーで暖かいお茶を出している屋台とちょうど出くわした。
名前を聞いてもよくわからない飲物の中に知っているものを発見。
ユジャチャ
朔でも出している「柚子(ゆず)茶」だ。
本場のものを飲んでみた。
味は、、、朔のものと変わらない。
そりゃそうだ。
朔のだって韓国から輸入されたものを使っているのだから。
思い出に残っているわけは、熱いゆず茶と売り子の若いお兄さんの笑顔が冷えた身体をとても温めてくれたからだろう。
寒いこの時期、ちょっと風邪気味かな、というときにも、やさしい味の柚子茶はおすすめです。
底に沈んだゆずの皮も食べられるようにスプーンもお付けしています。